SHA CEYLON楽天市場店で採用している鑑別組織【カラーストーン】
有名百貨店や宝石専門店で、GIA(米国宝石学会)やGRS(ジェムリサーチスイスラボ)の鑑別書がついたカラーストーンには「GIA」「GRS」と目立つラベルが張られ、別格とされています。他の鑑別会社は、ほとんど社名を明記されていません。そして、GIAやGRSで鑑別された宝石は店頭で非常に少なく、宝石専門店であっても、売り場に一つもおいていないことがあります。
SHA CEYLONでは、投資対象となる非常に高額なカラーストーンには、世界中どこでも通用するこの2鑑別組織のうち、どちらかの鑑別書が不可欠だと考えています。
GIA鑑別書
GRS鑑別書
SHA CEYLONでは、産地や加熱処理等の情報と共に、鉱山法人や採掘者またはそれにかなり近いルートから宝石を仕入れることができます。ですが、お客様の立場になりますと、宝石の価値を決める産地や処理の有無については、当店と関係のある人間ではなく、第三者的な立場の鑑別を添えることが重要だと考えました。自社や自社と関係がある人間がどれだけ言葉を尽くして褒めそやしても、それは自社の見解にすぎないことを、過去の事例(後述)が証明しているからです。
そこで、スリランカと日本の両方で、実際に複数の鑑別会社に依頼し、サファイアの鑑別能力や実際の鑑別書の内容を吟味したうえで、楽天市場店で採用する鑑別会社を決定しました。
老舗なら安心、と思ったものの……
鑑別会社を選ぶにあたり、私達も最初はやはり老舗のほうが安心だと思っていました。そこで日本国内では信頼度が高い「A鑑」クラスといわれているある鑑別会社にお願いしたのですが、驚いた点が多々ありました。
まず、サファイアの鑑別をお願いしたいと話すと、「何サファイアを希望ですか?」といわれました。
この時点で、先方が依頼者からの情報に左右されそうな雰囲気を感じました。依頼者の希望に沿って鑑別結果を出すところがあるのはわかっていましたが、依頼者に一切忖度しない鑑別会社は、何の石かさえまったく聞いてきません。何の石かを鑑別するために依頼されているとわかっているからです。
ここでは、GIAでパパラチアと鑑別されていたサファイアの鑑別を依頼したので、パパラチアと出なくても、同じコランダムという鉱物のルビーやピンクサファイアと鑑別されることは想定していました。ところが、ここでの鑑別の結果、「サファイアなのは確かだが、何サファイアなのかわかりません」と回答してきたのです。
これは、鑑別会社や鑑別者によって比較的よくある見解の違い、ではありません。
こういう結果を「鑑別が厳しい」と誤解している一般の方が多いようですが、宝石関係者の場合は、逆に疑問に思うのが普通です。
サファイアなのが確かであれば、必ずどこかのカラーサファイアには入ります。それがわからないということは、鑑別者の「能力」の問題になります。
重要書類としてのチェックポイント
また、ここの鑑別書には、いくつか問題がありました。
特に問題なのが、重要書類で必須項目である「発行年月日」のらんがありません(内部の人間だけがわかるような箇所に、略式で記載。項目としてないため、正式な発行年月日とは認められない)。確認してみると、ほとんどの日本の鑑別会社が同様です。これでは宝石や鑑別書が古い場合、そうわからないようにしているといわれても、仕方がないように見えました。
重要書類において、発行年月日の項目が非常に重要なのはいうまでもありません。古い鑑別書は、古い機器や技術、宝石によっては現在とは違った基準で鑑別していることもあるからです。特に、パパラチアサファイアについてはベリリウム拡散処理石が大量に出回った年代があり、その時期の鑑別書は注意が必要です。ちなみに、現在はベリリウム処理のサファイアは減ったと思っていらっしゃるお客様が多いですが、処理技術の進化を背景に、処理済の安価な天然サファイアが大量に作られるようになっています。市場に流通している宝石のうち、価値ある本物は半分以下というのは、いまも昔もかわらない現実です。
私共では、ジュエリーグレード以上のサファイアの実際の採掘量や、処理技術の進歩から、パパラチアに限らず、カラーサファイアの模造品や宝石として価値のない処理石は、年々増えていると考えています。
混乱を招く文面、軽い俗称使い
また、鑑別書で「通常、加熱処理が行われている」等、一般論のような添え書きがつくのも問題です。これは正式な非加熱検査をしていないととれる一方、まだ非加熱の可能性があるというだけでイコール非加熱と同等と解釈する人も少なくなく、混乱を招きます。
この会社は「鑑別料金は宅配便の箱に入れてください」(現金を宅配便に入れることは違法行為)と言ってきたり、顧客に対してパパラチアを「パパラ」と呼んでいたりして、企業として大丈夫だろうかと心配になりました。日本のまともな宝石関係者で、パパラチアを「パパラ」と呼んでいる人はまずいません。
王族や貴族が古来から宝石を珍重してきたのは、ただ美しいからではなく、いくら富や権力を手にしても得られない自然からのパワーを、宝石から得たいと願ったからなのです。
スリランカはもちろん、日本で宝石に詳しい方は、宝石を採掘する人たちが命を危険に晒して探していることや、宝石が自然からの貴重な恵みだとわかっています。自然に感謝して宝石に触れ、宝石に敬意をはらっている宝石関係者は、宝石を軽い俗称で呼んだりしません。
先行きが心配される日本の宝石鑑別
古い業界に見える宝石業界ですが、それでも知識や技術は世界で日々進歩しています。日本の技術はまだまだ世界一と思っていますが、宝石の鑑別については少々残念な一面を目の当たりにしてしまった次第です。
日本の鑑別会社では、過去にダイヤモンドの鑑定資格が取り消され、AGL(一般社団法人宝石鑑別団体協議会)を退会(のちに鑑定再開・AGL復帰したところもあります)した鑑別会社や、パパラチアについては、過去にベリリウム拡散加熱処理を見逃して破綻した会社もあります。それらの鑑別書を採用していた一部の有名百貨店でも、大騒動になりました。
また、この25年で日本の宝石市場の柱といえるダイヤモンド輸入量は4分の1以下になり、カラーストーンもそれに伴いもちろん減っています。株価や景気指数が高くても、日本で個人が宝石に使う資産は右肩下がり。宝石は産出国から好景気な国に集まるため、日本の宝石の流通量と共に鑑定・鑑別士も減り続けている、という記事を読み、日本の宝石鑑別の現状を感じました。
今も流通する安価なベリリウム拡散加熱処理石。
真に価値あるサファイアをお届けするために
当店のようにネットのみで販売するお店は、実店舗以上の信用が大切です。パパラチアを売るには、年々進化している精巧な処理石を絶対に見逃すわけにはいきません。
特に、スリランカ産のパパラチアは世界に誇るブランドです。その名に傷をつけるわけにはいかないのです。
鑑別書も、お客様が見て、あやふやな部分がない方がいい。
GIA直営の資格取得学校も日本から撤退してしまう等、日本の宝石鑑別にはやや不安が生じていたこともあり、SHA CEYLONとしては「世界基準」で鑑別する会社に頼みたいという気持ちがありました。
そこでSHA CEYLON楽天市場店では、国内外の鑑別会社に実際に鑑別を依頼し、その中から
・重要書類としての書式(発行年月日が項目としてある、等は鑑別書としての基本です)
・検査結果以外の紛らわしい文章(たとえば「通常は加熱されている」等、推測的な文章)がなく、表現が明確でわかりやすい
・ベリリウム拡散加熱処理石等、問題のある宝石を正確に見分けられる能力がある
・実際に宝石の鑑別を依頼してみて、組織全体として能力があると判断できる
さらに、
・世界的なハイジュエラーが高額商品に採用している
・資産性が高く投資対象となる宝石にふさわしい
等の点から、楽天市場店では、主にGIAとGRSという鑑別会社の鑑別書をつけております。
また、仕入れ時にたとえ鑑別書がついていても、その書類と現物が一致しているとは限りません。親や祖父母から受け継いだ鑑別書付きの宝石を、GIAで鑑別に出したら、合成石や処理石だったというのは、昔も今もよく聞く話です。
いまや鑑定・鑑別資格者でも最新の専門機器なしでは見抜けない巧妙な処理技術が横行しているため、資格者が見れば安心とはいえません。当店では、鑑別書書付の宝石を仕入れても、最新設備と知識に秀でたGIA等に再度検査を依頼し直すという作業を欠かさないようにしています。この作業を実際に行っているお店は、宝石業界でほぼないと思います。
私たちは、大切なお客様に、絶対的な本物の宝石をお届けするという信念のもと、これからも力を尽くしてまいります。
※GIAとGRS以外の鑑別書も、当店が選んだ鑑別会社に直接依頼して取り直した鑑別書になります。SHA CEYLON楽天市場店では、基本的に、発行年月日の項目が明確でないところや、過去にベリリウム拡散加熱処理を見逃した国、そして今もサファイアの処理石を大量に輸出している国の鑑別書は採用しておりません。
なお、鑑別会社はすべて独立しており、鑑別会社や鑑別担当者によって、すべての検査項目において見解が異なる可能性がありますので、あらかじめご了承ください。
本来、販売者は、各鑑別会社が出した鑑別結果以上の回答や詳細について言及できない立場にあります。
SHA CEYLONでは、投資対象として宝石をお求めのお客様には、世界的に定評のあるGIAまたはGRS(共に産地検査結果あり)の鑑別書付の宝石をお勧めいたします。海外には他にも多くの鑑別組織がありますが、こちらの2組織は世界の宝石市場に影響力を持ち、知名度も高く、どんな国でも通用します。これは、当店に限らず、どんな宝石店で購入するにしても、価値ある宝石をお探しのお客様に申し上げたいことでもあります。
資産性の高い宝石に添えられる鑑別書
ハイジュエラーが、お手頃なエントリー商品ではなく、高額な商品にGIA(米国宝石学会)やGRS(ジェムリサーチスイスラボ)の鑑定・鑑別書類をつけるのはなぜでしょうか。
例えば、商品そのものに価値があるブランド品に「品質保証書」は必要ありません。宝石ではありませんが、エルメスやルイヴィトンに品質保証書はありません。お品自体が本物であれば、社会的に価値を認められます。宝飾品の場合、ティファニーやカルティエ、ハリーウィンストン等のハイジュエラーがお手頃なエントリーモデルに自社の品質保証書を添付していますが、それらの書類を紛失しても、お品自体が本物であれば、正規店でメンテナンスをしてくれます。ただ、ハイジュエラーのエントリーモデルでは、ダイヤやサファイアを使用していても、外部の鑑別会社でとった鑑定書や鑑別書はつけていません。ただ、そこはハイジュエラーですので、世界中で大量に製造されている価値のない処理石などは使っていないと思います。
ハイジュエラーでは、使用している宝石自体が高額な商品に、GIAやGRSの鑑定書・鑑別書をつけているのです。価値ある宝石を使った商品であることを示すには、どのジュエラーにも属さず、世界中どこにいってもその価値を認められる第三者的鑑別機関の書類をつけるべきだと考えているからでしょう。
SHA CEYLONでも、古来その価値について常に物議を醸してきた宝石こそ、権威ある第三者の見解が必要かつ重要だと考えています。
鉱山法人だけでなく採掘者自身からも直接仕入れができる当店ですが、当店とは利害関係のない「第三者的立場」の見解を介入させることで、何よりも品質を保証することを第一としています。そして宝石についてのご紹介が、当店の主張・見解に偏らないようにしています。なぜなら、宝石はあくまで自然の産物であり、私たち販売者が作ったものではないからです。お店側がどんなに理論づけして事細かにPRしても、それはあくまでその販売店の見解にすぎません。
例えば、かつて日本の宝石業界を騒がせて倒産したダイヤモンドの専門店は、自社で鑑別会社を子会社としてつくり、ダイヤモンドの鑑定書を発行していました。昔はそれで通用したかもしれませんが、ここまで技術が進歩し、情報社会になった今、宝石の鑑別を自社だけで行っていては、宝石にお詳しいお客様は納得されません。
そのため、私たちはカラーストーンについても、販売店による品質保証書に第三者による鑑別書以上の意味はないと考え、当店の品質保証書はあえて発行しておりません。何の意味もない書類を複数つけることで、お客様を欺くような売り方はしたくないからです。
当店では、宝石を本当に愛するお客様に、心底ご納得の上で宝石をご購入いただきたいと思っております。そのためには、宝石店もこれまでのように「言った者勝ち」的な話術で売るやり方から、次のフェーズに入らなければなりません。
私たちSHA CEYLONは、宝石の売り方も時代に合わせて変化させていきたいと思っています。
GIAは現在、世界の宝石市場で最も影響力のある最大の非営利組織であり、宝石学研究および教育の権威です。ダイヤモンドの鑑定で世界一と評されていますが、時代の流れと共に、近年はカラーストーンについても、多くの宝石店がハイエンド商品の鑑別書として採用しているのは周知の通りです。実際、ハイジュエラーの高額なカラーストーンには、主にGIAの鑑別書が添えられています。GIAは近年、ダイヤモンドの鑑定書のペーパーレス化(後に、業界の要望を受けて印刷鑑定書の発行を再開。世界的組織として、新しい試みとその訂正について、判断が非常に迅速)をはじめ、真珠レポートの細分化や新サービスの開始等、ダイヤモンドに限らず宝石市場全体で、常に時代を先取りしている感があります。
GIAの本拠地は、今や世界経済に多大な影響を及ぼす企業となったGAFA(※1)と同じアメリカ合衆国です。GIAの支社はベルギー、タイ、ホンコン、インド、南アフリカ共和国、ボツワナ、イスラエル等にあります。日本にも支社があり、「GIA東京」で鑑別を依頼します。
※1: Google, Amazon, Facebook, Apple 4社の頭文字。なお、GIAは会員制で、本人確認の上、会員IDの取得が必要です
※GIA卒業生(GIA ALUMNI MEMBER)や資格者、またそのメンバーで構成されている鑑別組織等で、GIA本体以外を「GIA会員」「GIAメンバー」等と表記するのは、適切ではありません。そのため、当店ではそのような表記は使用していません
▲高額な宝石の価値を左右する産出国 (Geographic Orijin)の表記
高額な宝石ほど産地情報は重要ですが、通販に限らず、多くの宝石店が扱っているほとんどのGIA鑑別書で、産地検査が省略されているのをご存知でしょうか(産地の項目であるGeographic Orijinのらんが「Not Requested:検査依頼なし」となっている)。
産地検査を依頼しないのは、販売者が、宝石の価格を左右する産地情報をコントロールしやすくするためです。例えば、パパラチアサファイアの場合、スリランカ産かそれ以外かで、お値段は変わります。
ですが、SHA CEYLONではGIAに産地検査まで依頼し、その検査結果を重視しています。それが、資産性を左右する重要書類の役割であり、第三者(特に世界が認めたGIAやGRS)に鑑別を依頼する意義だと思うからです。
もし、GIAに産地検査を依頼したのに「決定(鑑別)できない(Inconclusive)」という結果が出た場合は、当店の仕入れルートによる産地情報をお知らせするようにしています。
世界のハイジュエラーが採用するGIAの産地検査は、高額な宝石ほど、その価値を左右する重要な項目です。検査を依頼した結果、産地が決定できないという返事であればともかく、産地検査自体を依頼していなくては、GIAで鑑別書をとる意味が半減すると当店は考えています。
※GIAの国、地域の表記について
海外では、国際的に明確な国境が定まっていない、あるいは近年変動があった紛争地域(アフリカエリアやカシミール地方、他)があります。GIAでは、それらの地域には国名を併記しない等、国際的な組織らしい配慮がされているようです
画像引用元:GIA
GIAの宝石業者向けメールマガジン(2024年8月)の一部。ダイヤモンドで定評があるGIAは、近年カラーストーンの鑑別にも力を入れています。時代の流れによって宝石にお詳しいお客様が増えるにつれ、鑑別書も、これまで卸・小売業者側に都合がよかった内容から、GIAが主張するように消費者側(顧客)に「誠実」な内容が求められるようになってきています。
SHA CEYLON楽天市場店では、検査内容・範囲のわかりやすさ、曖昧さがない明確な表記、世界的な知名度から、高額商品では特にGIAをメインに採用しています。
本拠地はスイス。クリスティ等の世界的なオークションでも評価されており、宝石業界ではGIAと並んで高額な宝石にふさわしいとされる権威ある鑑別会社です。
日本に支社がないため、日本ではオーダー数的に「GIAに次いで」という雰囲気があり、GIAの方を重視するお店もありますが、海外でカラーストーンの鑑別に関しては、いまもGRSを格上とする傾向があります。
なお、GRSの鑑別書には、産地検査が基本項目として入っています。高額なカラーストーンの鑑別書で、産地の項目が重視されることを認識しているからでしょう。
検査項目やコメント内容を見ると、確かにカラーストーン愛好家が好む書式だと思います。
昔から、宝石は実店舗で購入したほうが安心といわれてきましたが、果たしてそうでしょうか。
昔は、商品や商品付近にGIAやGRSと書いたラベルが貼ってあるだけで信用され、鑑別書の内容を確認しないお客様や、お店の話で満足して鑑別書を受け取らずに購入されるお客様が少なくなかったようです。宝石を買うのにあれこれ聞いたり、「証明書を見せて」などと言うのは「無粋だ」というお客様もいらしたのでしょう。今、実際に宝石業に携わってみると、そういう時代を背景に「世の中に出回っている宝石のうち、半分以上が偽物」という状況が、はるか昔から脈々と続いてきたことがよくわかります。
ですので、大切なお子様やお孫様にいざ譲ろうとしたら、価値のない処理石や模造品と判明したという話を聞いたのは、私たちも一度や二度ではありません。実際、たまたま知人の知人が大粒のルビーの指輪をしていて、素敵ですね、と外して見せてもらったら、プラチナ900の台座に留められた2カラットはありそうな美しい石が、経験からではありますが、大変精巧な模造品とわかってしまった、ということがありました。
鑑別書と一緒に保管されていた宝石でも、実は模造品の別物だったという話は実際にありますので、昔から宝石業界の定説であった「本物は半分以下」は、今も変わっておりません。他の産業同様、宝石関係の加工や処理技術も、年々非常に進化しているからです。ですので、実店舗であろうがなかろうが、購入前に実際に鑑別書を見て確認することは、宝石の知識をお持ちのお客様でしたら当然のことです。
現在も、都内有名百貨店で高額なカラーストーンの鑑別書を見せてくださいというと、売り場には置いていない(別の場所に保管している)と言われることがあります(鑑別書のコピーを見せてくれるところなら、いいのですが)。
高額な1点ものの商品で、もちろん鑑別書はあると言いながら、その場で見せない理由がなんなのか、私共にもわかりません。いまは鑑別書はないけれど、後から鑑別書をとりますと言うお店も、真偽が不明です。お手頃価格の商品ならわかりますが、採用する鑑別会社によって価格が左右されるほど高額な商品の場合、店側の指示通り結果をだしてくれる鑑別会社を使ったり、あとになって最初のお話が二転三転したりするからです。最初と話が変われば、どうしても疑問が生まれます。
私共が知る範囲ですが、ハリーウィンストン等のハイジュエラーで、1点ものの鑑別書付き商品であれば、その場でそれらの書類を出して見せてくれます。高額商品の鑑別書は貴重品同様ですので、少なくとも、そのコピーを見せてくれるはずです。
お客様が百貨店や専門店で高額なカラーストーンを購入される際には、ぜひその場で「鑑別書を見せてください」と言ってみてください。鑑別会社や、その鑑別書の内容を、ぜひご確認いただきたいと思います。
インターネット社会になり、時代の流れと共に、宝石をよくご存知でお目の高いお客様が確実に増えています。宝石について、大変知識をお持ちのお客様もいらっしゃいます。私たち宝石関係者は、そういうお客様に嘘やごまかしを口にすれば、即座にお客様の信頼を失ってしまうことを、肝に銘じるべきだと思います。
産地検査を依頼していない(産地検査の項目が「検査依頼なし:ノットリクエスト」)GIA鑑別書を見せて、「このパパラチアサファイアはスリランカ産です」とアピールできない時代がきているということです。
当店では、時代の流れにあわせて、宝石にお詳しいお客様にも納得してご購入いただけるよう、お客様にとって有益な情報を可能な限りご提供することを心がけております。カラーストーンの場合、天然石と称する価値のない処理石ではなく、あくまでも「本物」をお探しのお客様には、処理検査済みとお店が太鼓判を押す商品あるいはその鑑別書付が無難です。さらに資産性を重視し、投資対象として非常に高額なカラーサファイアをご購入されるお客様には、信頼できるお店で、GIAかGRS(共に産地検査結果あり)、どちらかの鑑別書がついた商品をおすすめいたします。
GIAとGRSについては日本でも知名度があり、これまでの実績により、現在、ハイジュエラーはもちろん日本の有名宝飾品店や都内百貨店でも別格とされています。現時点では今後も、世界中どこでも通用する鑑別書といえます。
当店では、当店の論理や主張によってお客様を誘導するのではなく、お客様ご自身が判断され、ご納得の上お買い物ができる情報をお届けしていきたいと思います。
◉ カラーストーンの「鑑別書」は、ダイヤモンドの評価を記す「鑑定書」とちがって、宝石が本物かどうか(天然か人工か、処理の有無等)を記すものであり、宝石の価値を評価するものではありません。処理石や合成石も、ソーティングや鑑別書上では天然石と書かれることかあるので、販売店がどれだけ合成石や処理石について詳しいか、またどのような鑑別書をつけているか、お客様にもご確認いただきたいと思います
写真は撮影機の自動調整含め一切加工なし。補助ライトも使用していません。すべて、室内自然光または家庭用蛍光灯下で撮影しています
GIA鑑別書では、マダガスカル産ブラウニッシュパープルサファイア。写真ではほぼブラウンにみえますが、光源によりさまざまな色合いが楽しめ、大自然のパワーと不思議を感じていただけます。
ブラウン系サファイアは、宝石として価値のないアクセサリーグレードが大半ですが、こちらはみずみずしい輝きと美しい深みのある色合いが素晴らしい、なかなか出会えない一石です。通常の加熱処理がされているため、ジェムグレード(非加熱・無処理で良質な総採掘量の上位 2%前後)には届かず、ジュエリーグレード。他の処理はされておりませんので、長期安定性が高く、ルースのままでも、ジュエリーに加工されても、お子様やお孫様に受け継いでいける価値ある品質です。
GIAの鑑別による非加熱のマダガスカル産パパラチアサファイア。
やたらと「希少」という言葉が飛び交う宝石業界ですが、この美しさでGIAで非加熱と判定されたパパラチアは宝石専門店や都内有名百貨店でもなかなか見つからない、まさに希少という言葉がふさわしい一石です。さらに、投資家の方にとって、「新品」という点も高ポイントです。中古市場の成熟により、中古品や遺品整理のジュエリーから取り外された宝石が、新品として小売市場に流入してくるため、このクラスで縁起のいい真の新品が、非常に少なくなっているからです。
しっとりと濃く、ムラのない素晴らしい色のり。蓮の花のように気品に満ちた可憐さ、そしてまばゆいばかりのみずみずしい輝きは、まさに一期一会の宝石でしょう。
勘違いしてはいけませんが、たとえ色についてパパラチアサファイアと鑑別され、カラット数が大きな宝石であっても、輝きに乏しく内包物が目立つものや曇り、色むらのある「美しくない」ものは、宝石としての価値が格段に下がります。たとえば、スリランカのような宝石の産地では、非加熱・無処理で、アクセサリーグレードからさらに下のランクの宝石として価値のないサファイア等の宝石が、庶民の日常品になっている、と言えば、ご理解いただけるのではないでしょうか。
特にパパラチアサファイアの場合、鑑別がとれればカラット数が大きいだけでも非常に珍重されますが、私たちは大きさだけでは仕入れません。何よりも、お客様に幸せを感じていただける美しさ、宝石としての品質です。
ですので、当店では、大して美しくない宝石に強いライトを当て、綺麗綺麗とほめそやしたりいたしません。たとえ店頭で光り輝いていても、自宅で見たら夢から覚めてしまった、と思うような宝石を、自分でも購入したくないからです。
私たちは、お客様がお店のトークや店内の環境に惑わされず、ご自宅で冷静に判断できることが最大のメリットだとお客様ご自身に思っていただけるよう、誠実なネット販売を心がけていきたいと思っています。
「サファイアの王」とよばれ、オレンジからピンクまで、色の幅が非常に広いパパラチアサファイア。
自分が本当にときめくパパラチアを選ぶ幸せなひとときを、SHA CEYLONが確かな品質と共にお届けしていければと思います
※写真はすべて室内自然光のみで撮影。自動調節機能含め加工は一切しておりません
◉鑑別書があっても、購入は信頼できるお店で
ネット販売の普及で、偽造の鑑別書をネット上でもかなり見かけるようになりました。匿名の業者やフリマサイト等で偽物をつかまされた方々から、お問い合わせをいただいております。
高額な偽物や処理石で被るダメージは、金銭的にも精神的にも非常に大きいですし、本物であっても、相場よりお安いものは、元が中古品等、お安い理由が必ずあります。
宝石は本来、幸せを運ぶもの。お客様には後悔しないお買い物をしていただきたいと思います。
詳細は → コラム take② なぜ信頼できるお店で買うべきか