宝石の街「本家」ラトゥナプラ。写真上はスリランカ政府が管理する宝石の研究所および教育施設。本来は撮影禁止の施設ですが、許可をいただき撮影・掲載しています
世界の宝石取引所の一つ、採掘エリアとしても有名なラトゥナプラはスリランカ南部の内陸の街です。
スリランカではほかの地域でも宝石が採掘されていますが、一番有名なのはやはりこちらです。取引市場として知られるようになったベールワラより比較的涼しく、街並みも落ち着いた雰囲気です。ここでも、流通している本物の割合は3割前後と見られますが、スリランカの宝石業界のトップや大手企業の大半の本拠地がこの地域にあります。大きな企業は、コロンボに店舗や事務所、メインの採掘場(借地ではない)をラトゥナプラに持っています。
ここから先は、私共の取引先に限る話ですが……。ラトゥナプラに観光に行かれた人たちの話とは、イメージが異なるかもしれません。
いいサファイアがとれるのは主にかなり深いところですが、意外にも、採掘現場での重傷者や死亡事故の話は聞いたことがありません。現場は危険ですが、いい機材を揃え、安全管理も十分されているからでしょう。
採掘スタッフは皆明るく、生き生きと働いています。世界中の人たちが欲しがるものを、自分たちが見つけているという誇り、自信、やりがいに満ちているのでしょう。
作業時間は少なく、午後早めに仕事は終わり。現場では泥にまみれていても、収入が高い彼らの自宅はかなり豪華で、夕暮れから家族や友人と長く楽しい時間を過ごします。彼らの生活に日々のストレスはなく、常にリラックスしていて、余裕があります。
道端で宝石を売りつけてきたり、観光客に採掘現場を見せてくれる「貧しい」スリランカ人(実はそんなに貧しくないかもしれませんが)とは、まったくイメージが違うと思います。私共の取引先は、観光客の目に触れる世界とはまた違う世界かもしれません。
外国に行って数日滞在すると、自分が見たものがその国のすべてと思いがちですが、この国でも、この街でも、実にいろいろな人がいるのです。
宝石は自然からの貴重な贈り物であり、採掘場の泥と危険の中で手にできるものですが、宝石はそこに働く人たちの夢と幸せ、思いや熱気を伝ってやってきます。
私共は、幸せで真っ当な人たちを経てやってくる新品の宝石こそ、縁起がいいと考えています。
また、長年順調な経営者は、スタッフを非常に大切にしています。このコロナ禍で長期間利益が出ていなくても、頑張って一人も解雇せず給与を払い続けている会社もあります。
仕入れの前提として、こういう人たちから仕入れた宝石は非常に綺麗、つまり清潔で、大自然のパワーがそのまま宿っていると感じます。
金運、結婚運、仕事運。
宝石にいろいろ願いをかけたり期待するのもよいのですが、宝石が持つ大自然のパワーをそのまま感じるひとときも、贅沢な楽しみ方ではないでしょうか。私共は、品質はもちろんのこと、お客様と共に素晴らしいひとときを過ごすにふさわしい宝石達を、SHA CEYLON楽天市場店でお届けしていきたいと思っています。
スリランカ政府の宝石研究所内(すべて許可を得て掲載)
スリランカ政府の宝石研究所および教育施設にあった模型。サファイアが取れるのは、この模型でいうと茶色い層の一番下、つまり一番下のグレーの層の上にあたる部分です。この層に到達するまでに、地上から数メートルの場合もありますが、かなりの距離になることもあり、採掘は危険を極めます。
現在採掘が行われている場所には、外部の人間は入れませんが、採掘し尽くした場所は、観光スポットとして再利用されています。ラトゥナプラでは、観光客向けの採掘体験コーナーも多く、本格的な採掘体験もできます。スリランカ人のいいアテンダーがつくと、深い層まで見学でき、中には「宝石が見つかった!」という採掘者の気分になれる大変ドラマティックな演出もしてくれます。宝石がお好きな方には、いい思い出になるでしょう
(写真下)スリランカ政府の宝石研究所の外観
宝石業界にもクラスがあり、業界トップの伝説的な人物には、かなりの伝手がないとスリランカの業界人でもアポイントはとれません。それほどのスケールの人なのに、店舗もホームページも持たず、ネットで名前も出てきません。ごく限られた人物や世界的ハイジュエラーとだけ取引する等、まさに知られざる世界です。
一年の半分しか仕事をしないある経営者は、従業員らも半年間休暇にし、その期間も全員に通常通り給与を払っています。採掘期間にいい宝石がとれると、翌日から仕事は休みになって従業員全員で旅行になる等、大変優雅なライフスタイルです。
ストレスがなく、毎日が豊か。そして、経営者もスタッフも互いに敬意をはらい、思いやる。SHA CEYLONは、こういう幸せな人たちから宝石を仕入れております。そういう宝石は非常にクリーンで、幸せのオーラに満ちていると感じます。