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ベールワラ:魚村から「宝石の街」になった理由

スリランカの南西、海辺の街ベールワラ(ベルワラ)。宝石の取引エリアは、ラトゥナプラのように狭い路地が多いです。こちらで売買されている宝石も7割前後が偽物なので、購入時は重々ご注意を。宝石関係者の間では常識ですが、最近の模造品の出来は素晴らしすぎるし、彼らの話術にひっかかってしまう業者が少なくありません。本物であっても大半が価値のないアクセサリーグレードなので、本場にきたからとその場の勢いで買ってしまうと、日本で購入した方が安かった、ということも…


 

 


宝石こぼれ話

 

スリランカで宝石の街といえば歴史的にもラトゥナプラですが、近年、一般の観光客にベールワラ(ベルワラとも発音されます)という海辺の街も宝石の取引場所として知られるようになってきました。

ですが、本来は漁村。なぜ宝石の街になったのでしょうか。

 

宝石の取引は、信頼に基づく大変個人的なもの。人と人とのつながりが重要なビジネスです。蜜月10年以上たった後に裏切られることもあり、スリランカ人同士であっても常に気は抜けません。

ですので、AさんとBさんのビジネスをCさんが取り持った場合、以降、AさんとBさんはCさんの仲介なしで取引はしません。他の業界もそうですが、宝石業界でも一般的な礼儀です。

ですが、AさんとBさんの信頼が強まれば、二人だけで会いたくなるものです。Cさんがいなければその分のマージンがなくなり、何かと都合がいいのも事実。

Cさんなしで会いたいAさんとBさんですが、ラトナプラの宝石街は狭い路地が多い小さなエリア。知人もたくさん歩いています。AさんとBさんが2人で取引していれば、Cさんに見られたり知られたりする可能性は大です。

そこで二人は、ラトナプラより離れた漁村「ベールワラで会おう」となったわけです。

 

こうして、ベールワラはラトゥナプラに次ぐ宝石の取引場所として利用されるようになり、発展していったのです。

 

 ……これ、ホントの話です。