サファイアの代表はやはりブルー。
海のような色、移り変わる空の色、そして宝石では「誠実」を意味する色とされています。
同じブルーサファイアでも、様々なブルーがあります。
ダイヤモンドと並ぶ王者の宝石、サファイア。ジュエリーに関心がない方でも、青い綺麗な宝石を見ると「サファイアだ」と思うほど、古今東西、老若男女問わず知られている有名な宝石です。
高額に取引されるブルーサファイアの色は、鑑別上、コーンフラワ―ブルーとロイヤルブルー。
コーンフラワ―ブルーとは矢車菊の花の色のことです。この濃いブルーのサファイアは、もはや採掘されなくなったインド・カシミール地方産に多いとされていましたが、スリランカでは、今も採掘されています。
写真ではやや暗めになっていますが(一切写真の加工をしていませんので)、右下のラウンドのルースが、鑑別でコーンフラワ―と出ています。
そして、残りの3つはすべてロイヤルブルー。
上の2つは、まさに誰もがイメージする真のブルーでしょう。上段左は新入荷したもので、通常の加熱処理をされたルース。右は、ブルーでは大変希少な非加熱です。
非加熱のブルーサファイアでジュエリーグレード以上の価値あるものは本当に少ないのですが、加熱処理されたものであっても、左上のようにこれほど真のブルーは、なかなか見つかりません。
まさに正統派、王道のブルーサファイアです。
さて、左下も鑑別はロイヤルブルーですが、こちらは微妙に、ほんのりティールが入っています。気品に満ちた大変美しいサファイアです。
まるで深い海のようなブルーは、上段の2つと比べると、ちょっと違った雰囲気です。
「ルールブルー」(ゲラン社)という香水がありますが、フランス語で「青の時間」というそうです。エピソードとして、日の出前と日の入り後に空を染めるブルーといわれています。
そんなブルーもあったのか、と思いました。
自然から生まれる、ブルーサファイアのさまざまなブルー。
ご自身が一番ときめく、末永く愛せる「真のブルー」を、見つけていただきたいと思います。